ザンビア孤児院
ザンビアでは首都のルサカのンゴンベコンパウンド(スラム)において、HIV孤児のための学校運営、給食支援を行なっています。
マンスリーレポート(2025年5月)

Photo:中古バス(トヨタ コースター)で、300万円程を必要としています。 どうか皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。
ムリシャーニ(お元気ですか)?
皆様の日頃の温かいご支援に心から感謝申し 上げます。
異常気象で雨季が終了せず、毎日雨が降ってど んよりと寒い天気が続いています。
それでも昨年の大変な干ばつを経験した後で は、まだまだ恵みの雨の様に感じています。
さて、セカンダリー(中高等学校)は2学年約30名 に増えたのですが、スラムから遠く、雨の日には 「傘を買えない」、あるいは生理の時に1時間歩 いて通うのが辛い(しかも生理用品が買えずに いる)、などの理由で欠席せざるを得ない生徒 達が一定数出ています。
確かに1時間以上通学にかかる子達が多く、自転車や交通費を支給したりして対応してきたので すが、今後、より安全に通学できて、そして様々な悪条件にあっても教育の機会が奪われることの ない様に、スクールバスを購入する事を目指す事を決心致しました。
(シオン桜子ムタレ)
ザンビア孤児院について




AIDS孤児のための学校 CORNERSTONE OF HOPE は、2019年よりザンビアの首都ルサカで運営を開始しました。
この新しい取り組みは、支援活動を10年以上続けてきた経験を基に生まれました。
ルサカには 6,000人以上のストリートチルドレン がいると言われています。彼らは貧困や虐待から逃れ、路上での過酷な生活を強いられています。
日々の食事を得るために物乞いをしながら、暴力や犯罪に巻き込まれ、心の傷を紛らわすために安価なドラッグに依存していく子どもたちは非常に多く、その結果、精神的・肉体的健康被害を受け、それにより事故や自殺に繋がるケースも多く見られます。
学校設立の背景と目的
私たちは、ストリートチルドレンのシェルター運営を約10年間行いましたが、路上での生活を経験した子どもたちの更生の難しさを痛感し、問題の根本的な解決には 「子どもたちがストリートに出てしまう前の支援」 が不可欠であると考えました。
ストリートチルドレンになる主な理由は
1. 食べ物がないこと
2. 教育を受ける機会がないこと
3. 家庭内での虐待
1、2、3の3つの主な要因によって、子どもたちはストリートチルドレンとなっていきます。そこで、これらの問題を解決するために、学校運営 を通じて 教育の機会 を提供し、給食 を支給することで、子どもたちがストリートに出ることを防ぐ取り組みを行っています。
CORNERSTONE OF HOPEの活動
1. 小学校の運営
現在、ルサカのスラム地区「ンゴンベ」にて、HIV/AIDSによって親を亡くした孤児、HIV感染孤児、極度の貧困にある子どもたち を対象に 約70名 の児童が学んでいます。
提供する支援内容は以下のとおりです。
・無料の初等教育(1年生~7年生)
・毎日の朝食・昼食の提供
・保護者・児童を対象としたカウンセリング
子どもたちは、ストリートに出ることなく、制服を着て元気に学び、給食を食べることで健康的な生活を送ることができています。
2024年には 初めての卒業生(10名)が誕生しました。
2. 中高等学校の運営(8年生~12年生)
ンゴンベの小学校から車で10分の場所で中高等学校(セカンダリースクール)の運営を行っています。
現在はCOH小学校を卒業した子どもたちが約30名が学んでいます。
提供する支援内容は以下のとおりです。
・無料の初等教育(8年生~12年生)
・毎日の朝食・昼食の提供
・保護者・児童を対象としたカウンセリング
セカンダリースクールでは今後、スラム以外の子を有料で受け入れることで
募金に頼らない運営を目指しています。
3. コミュニティ・エンパワーメント
親を亡くした孤児の多くは親戚に預けられますが、家庭の経済的事情や婚姻・健康状況により たらい回しにされる ことが少なくありません。
その結果、教育を受ける機会を奪われるリスクが高まります。
この問題を解決するため、以下の支援を行っています。
・緊急支援(医療費・食料・家賃の援助)
・長期支援(母親・女性の自助グループを通じた識字教育・技術訓練)
ご支援のお願い
私たちの目標は、子どもたちが安心して学び、将来の可能性を広げられる環境を整えること です。教育と食事を提供することで、ストリートチルドレンになることを防ぎ、社会で自立できる力を育んでいきます。
しかし、この活動を継続するためには、皆さまのご支援が不可欠です。
・継続的な寄付・ご支援
・物資(学用品・食料・医薬品など)のご提供
・ボランティア活動へのご参加
お一人おひとりのご支援が、子どもたちの未来を変える力 になります。どうか、温かいご支援をよろしくお願いいたします。
ンゴンベコンパウンド
ザンビアには 140 万人の孤児がいると言われています。
ンゴンベコンパウンド(スラム)の人口は約15万人であり、その半数が子ども人口、そのうち6〜7人にひとりが孤児であると言われています。
多くの孤児は、親を失った後、祖父母や親戚に預けられて生活していますが、教育費が負担となり、学校に行かせてもらえないか、親戚をたらい回しにされる場合が非常に多いという状況があります。特にコンパウンドの孤児においてそれは顕著です。
当団体はストリートチルドレンの保護と養育もしてきましたが、その経験から、子どもが路上に出る大きな要因は、①家に食べ物がない、 ②学校に行けてない、③ 虐待を受けている、の3つであると考えます。
子どもが 1 度ストリートでの生活を体験してしまうと、多くのトラウマ体験を経てしまい、またドラッグやアルコールにのめり込み、その更生には長い時間がかかります。
そこで、 ①と②の要因を支援し、子ども達が路上に出てしまう事を予防し、かつ生産的に将来を切り開ていく事が出来るような、教育支援が必要とされています。
現在、当団体では、コンパウンドにて、孤児の中でも、更に困難な状況に置かれているHIV 孤児(親をHIV で亡くした、または本人も陽性)の救済を重点課題とした学校を運営し、教育と給食を支援しています。
孤児たちの多くは、居住する家庭においては一日1〜2食しか食べれていない、かつ今まで貧困により学校に通えていませんでした。中でもHIV に感染している孤児たちは、毎日免疫を高めるための薬を服薬しますが、特に空腹時の服薬は危険な副作用を及ぼすため、昼食だけでなく、朝食の提供も行っています。
『傍観者であってはならない。問題解決を目指し、新しい社会の創造者たれ』を教育モットーとしており、子ども達が創造的に、発展的に思考しながら豊かな人生をつくり出せる教育を目指しています。
昨年は、債務不履行に陥るなど、ザンビア経済は悪化の一途を辿っており、失業、飢餓等は更に深刻さを増してきています。そのため、孤児家庭を含めたコミュニティ全体の、特に収入向上を目指したエンパワーメント活動を計画しています。その第一歩として、コミュニティとの信頼関係を作るために、緊急支援として食糧・衣料等配布や、JICA に係わるあるプロジェクトに協力し、地域の女性たちを対象にしたコンパウンドの美化活動等も継続して行ってきました。
また、孤児を預かっている親戚の家庭環境によって、孤児の毎日の登校が困難になるケースがあるため、その親戚への医療費等も含めた様々な支援を行なっています。




ザンビア孤児院 責任者
桜子ムタレ(青木)スタッフ
桜子ムタレ(青木)スタッフ
宮城県名取市に生まれる 20歳で青年海外協力隊に参加し、西アフリカセネガルに2年間滞在帰国後、日本福祉大にて、教育と福祉、国際福祉を学ぶ 名古屋市の重度知的障害者の入所更生施設で勤務後、NPO法人礎の石孤児院ザンビアのコーディネーターとしてザンビアに滞在し、現在に至る。 ザンビア人の夫との間に3男あり。

桜子ムタレ スタッフ