ザンビア孤児院

ザンビアでは首都のルサカのンゴンベコンパウンド(スラム)において、HIV孤児のための学校運営、給食支援を行なっています。

ザンビアの就学支援について

HIVの孤児の学校の運営事業はストリートチルドレンの支援から始まりました。
エイズ孤児のための学校(CORNERSTONE OF HOPE)運営は、2019年より、ザンビアの首都ルサカにて始まりました。この学校運営は、ルサカの路上で物乞いをしているストリートチルドレンを支援してきた10年に渡る活動の経験が基になっています。
ルサカには6,000人を超えるストリートチルドレンがいると言われています。貧困や、或いは虐待から逃れるために、路上で生活することを余儀なくされた子どもたちです。
内臓はボロボロです。
生きるために物乞いをして生活していますが、暴力やレイプ、犯罪行為等が蔓延し、空腹や虐待によって負った心の傷を紛らわすために、安価なドラッグを常用するようになり、脳にダメージを負ったり、また一時的な錯乱によって事故に遭って命を失ったり、あるいは自殺する子どもたちも非常に多いのです。
 
そのために、このような危険と隣り合わせで生活している子どもたちが、安全に暮らし、ドラック中毒から脱却して、自立した生活を営めるようになることを支援するためのシェルター運営を始めました。
しかしながら、一度路上での生活を経験した子どもの更生は非常に困難であると痛感させられ、子どもが路上に出てしまう前の段階で支援することが重要であるとして、CORNERSTONE OF HOPEを立ち上げました(シェルターは現在、現地NGOによって運営が継続されています)。
そこで、問題の根本的な解決にはストリートに出る前の子ども達の支援が必要だと考えるようになりました。子どもたちがストリートに出る理由は様々ありますが、大きな理由の一つは食べ物がない。そして、もう一つは教育を受けることができない。というところにあります。学校運営は子どもたちに教育を与え、給食を与えることで、子どもたちがストリートに出る大きな理由の二つを無くすことができます。

CORNERSTONE OF HOPEの活動と役割

1, 小学校運営
子どもたちが路上で生活することを選ぶ要因は大きく3つあります。1、お腹が空いている2、学校に行かせてもらえていない、3、虐待を受けている
 そのためスラムで生活している子どもたちの中でも、特に貧困と差別に向き合っているHIV/AIDSによって親を亡くした孤児、HIVに感染している孤児たちと、その他極度の貧困にいる子どもたち(ストリートチルドレン予備軍です)を対象者(70~100名)とした無料の①初等教育 ②朝食・昼食の提供 ③家族の問題・危機に寄り添う(保護者・児童を対象にした)カウンセリングを行っています。
2, コミュニティ・エンパワーメント
親戚に預けられて生活している孤児たちは、その家庭の経済・婚姻・健康等の状況によって、親戚をたらい回しにされることも多く、それによって教育の機会を奪われていく危険性があります。そのため、子どもが安心して、継続して通学できるようにするための、家族へのバックアップが重要になります。そこで①緊急支援としての医療費や食料、家賃の援助、②長期的な支援として、女性、母親のための自助グループによる、識字教育、収入向上を目指した技術訓練を行っています。
現在はストリートチルドレンの働きはジャスパーさん(TLEAザンビア教会牧師)がンサンサという団体を作り運営(行政の指示により団体を分けるように言われたため、ストリートチルドレンと孤児の管轄省庁が違うため)し、礎の石孤児院ではルサカのンゴンベというスラムでHIV孤児の子どもたちの学校を運営しています。そこでは1年生から7年生の子ども達が現在約70人在籍しています。その子どもたちの全員が食べ物もなく、教育も受けることのできなかった子どもたちです。食べ物を探しにストリートにいつ出てもおかしくない子どもたちでした。今彼らは制服を着て元気に勉強しています。給食ではお腹いっぱいご飯を食べて、ドラッグを吸う必要もありません。今年初めての卒業生が出ました。10人の卒業生は進級試験を受けて合格したら8年生となることができます。
しかし、私たちが運営してる学校は1〜7年生が学ぶスペースしかありません。
3, 中高等学校建設および運営
小学校を卒業した子どもたちが継続して進級するための受け皿として、中高等学校(8~12年生※高校3年)建設を進めています。※2023年開校予定
建設事業を完成させるためには、まだ建設費3千5百万円、設備費430万円、運営費月々(職員給与25万円、その他給食費、水光熱費、雑費等)が必要になります。
どうか皆様の継続したご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
 
そこで8年生以降を受け取るセカンダリースクールをずっと求めていました。すると関西エンジニアリングさんの800万円の支援により、土地を購入することができました。そしてgood neighbors【https://www.gnjp.org】(韓国の福祉団体)が建物の建設と井戸の設置など800万円を超える支援をしてくださいました。
セカンダリースクールを開講するためにはあと430万円の準備金と8人の先生の給与として月25万円の必要があります。
どうか、この働きのため、皆様のご支援を何卒、よろしくお願いいたします。

礎の石孤児院 ザンビア担当
秋元ヨハネ

マンスリーレポート
(2024年10月)

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Photo:皆で壁画を描きました

ムリシャーニ(お元気ですか)?
皆様の日頃のご 支援に、心から感謝申し上げます!
ザンビアは干ばつの影響で、干上がったダムからの水力発 電が完全にシャットダウンしました。
現在は他 国から輸入した電力で賄われているようで、1日 1時間だけ電気が来ますが、スラムなど、私たち の学校がある地域では4日間〜1週間停電が 続いています。停電のためにパン屋さんもパン を焼けずにいて、給食のパンが手に入らないか、 40%以上の値上げしたものを買わざるを得な いようになりました。このように、電気料金や、 水道料金の値上げが進み、生活の隅々にまで影響が出て、非常に苦しい日々が続いています。 幸いオフィスを兼ねた我が家では、皆様にご支援を頂き、ソーラーパネルを購入できた事によ り、水の確保や冷蔵庫の使用ができるようになりました。
本当に感謝申し上げます。
しかしながら、制服が洗えない、身体が汚れているなどの理由で学校を休む子どもたちが現れるよう になりました。
今後は衛生の悪化によるコレラ、赤痢等が発生しないように十分な注意が必 要になります。
(シオン桜子ムタレ)

ザンビア孤児院について

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ザンビアでは、主に貧困を背景として約100万人以上の孤児がいるとされています。親を亡くした孤児たちは、精神的、経済的な支えを失うのみならず、貧困、疎外、差別を経験しながら、就学、就職の機会をめぐっても、孤独な闘いを強いられています。ザンビア孤児院は、そのような状況にある孤児の救済を目指し、首都において運営されていますが、同時に、地域の現状とニーズにより、幅広い支援活動を展開しています。

2004年から始まったザンビア孤児院の働きは、農村部における孤児院の運営から始まり、首都ルサカに拠点を移したのちにストリートキッズの緊急シェルターの運営を行いました。その経験の中で、孤児やストリートキッズ達が貧困から抜け出し自立した生活を送るためには、幼い頃からの教育と食事の補償が重要であると考えました。そのため、現在はHIV孤児の学校運営をルサカのスラムであるンゴンベコンパウンドで学校運営と給食支援を行なっています。社会から見捨てられた子どもたちを助け、ひとりひとりが、自分の命に価値と意味を見出し、それを全うしていけるように、皆様のご協力とご支援をよろしくお願いいたします。


ンゴンベコンパウンド

ザンビアには 140 万人の孤児がいると言われています。
ンゴンベコンパウンド(スラム)の人口は約15万人であり、その半数が子ども人口、そのうち6〜7人にひとりが孤児であると言われています。 
多くの孤児は、親を失った後、祖父母や親戚に預けられて生活していますが、教育費が負担となり、学校に行かせてもらえないか、親戚をたらい回しにされる場合が非常に多いという状況があります。特にコンパウンドの孤児においてそれは顕著です。
当団体はストリートチルドレンの保護と養育もしてきましたが、その経験から、子どもが路上に出る大きな要因は、①家に食べ物がない、 ②学校に行けてない、③ 虐待を受けている、の3つであると考えます。
子どもが 1 度ストリートでの生活を体験してしまうと、多くのトラウマ体験を経てしまい、またドラッグやアルコールにのめり込み、その更生には長い時間がかかります。
そこで、 ①と②の要因を支援し、子ども達が路上に出てしまう事を予防し、かつ生産的に将来を切り開ていく事が出来るような、教育支援が必要とされています。

現在、当団体では、コンパウンドにて、孤児の中でも、更に困難な状況に置かれているHIV 孤児(親をHIV で亡くした、または本人も陽性)の救済を重点課題とした学校を運営し、教育と給食を支援しています。
孤児たちの多くは、居住する家庭においては一日1〜2食しか食べれていない、かつ今まで貧困により学校に通えていませんでした。中でもHIV に感染している孤児たちは、毎日免疫を高めるための薬を服薬しますが、特に空腹時の服薬は危険な副作用を及ぼすため、昼食だけでなく、朝食の提供も行っています。
『傍観者であってはならない。問題解決を目指し、新しい社会の創造者たれ』を教育モットーとしており、子ども達が創造的に、発展的に思考しながら豊かな人生をつくり出せる教育を目指しています。
昨年は、債務不履行に陥るなど、ザンビア経済は悪化の一途を辿っており、失業、飢餓等は更に深刻さを増してきています。そのため、孤児家庭を含めたコミュニティ全体の、特に収入向上を目指したエンパワーメント活動を計画しています。その第一歩として、コミュニティとの信頼関係を作るために、緊急支援として食糧・衣料等配布や、JICA に係わるあるプロジェクトに協力し、地域の女性たちを対象にしたコンパウンドの美化活動等も継続して行ってきました。
また、孤児を預かっている親戚の家庭環境によって、孤児の毎日の登校が困難になるケースがあるため、その親戚への医療費等も含めた様々な支援を行なっています。

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ザンビア孤児院 責任者
桜子ムタレ(青木)スタッフ

宮城県名取市に生まれる 20歳で青年海外協力隊に参加し、西アフリカセネガルに2年間滞在帰国後、日本福祉大にて、教育と福祉、国際福祉を学ぶ 名古屋市の重度知的障害者の入所更生施設で勤務後、NPO法人礎の石孤児院ザンビアのコーディネーターとしてザンビアに滞在し、現在に至る。 ザンビア人の夫との間に3男あり。

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桜子ムタレ スタッフ